剣道具の豆知識
材料について
剣道具の製作には様々な材料が用いられております。このページではその代表的な素材の紹介と説明をします。
- 紺皮
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白く揉した鹿皮を藍で染め込だ皮で、鹿の種類によって大唐・中唐・小唐に分けられます。サイズ適にはトナカイは大唐と呼ばれ、奈良にいる鹿は小唐の部類になります。輸入先国は北米・ニュージーランド等です。鹿は大きいほどキメが荒く剣道具には不向きのようです。また業者によって藍染の方法が異なり、経時変化が紫や黒くなる場合があります。これは藍で染める前に下染(科学染料)の色が強すぎる為です。
最近では人工鹿皮(クラリーノ)が出現しています。
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白く揉した鹿皮を藍で染め込だ皮で、鹿の種類によって大唐・中唐・小唐に分けられます。サイズ適にはトナカイは大唐と呼ばれ、奈良にいる鹿は小唐の部類になります。輸入先国は北米・ニュージーランド等です。鹿は大きいほどキメが荒く剣道具には不向きのようです。また業者によって藍染の方法が異なり、経時変化が紫や黒くなる場合があります。これは藍で染める前に下染(科学染料)の色が強すぎる為です。
- 茶皮
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紺皮と同じ鹿皮を使いますが染色方法が違います。大きなドラムに白く揉した鹿皮を張り、藁で燻したものであります。匂いを嗅ぐと燻製のような匂いがするのもこのためです。燻す事により煙の成分(タンニン・油・等)で皮の強度が増します。
当社では鹿皮を奈良県の藤岡製を使用しております。紺皮に関しては色合いが良く、鹿皮が持つ滑らかさが非常に良いと思います。
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紺皮と同じ鹿皮を使いますが染色方法が違います。大きなドラムに白く揉した鹿皮を張り、藁で燻したものであります。匂いを嗅ぐと燻製のような匂いがするのもこのためです。燻す事により煙の成分(タンニン・油・等)で皮の強度が増します。
- 紺反
- 木綿100%の糸を藍で染めて、平織りにした生地を言います。業者によって、それぞれ糸の太さ・打ち込みの強さ等で表示が違いますが、一般的には#4800〜#10800まであります。袴などで10000番と表示されているものは#10800の事です。剣道具で使われているのは#5800〜#8800がグレードによって使い分けられています。科学染料で染めた生地もありますが、経時変化により紫や黒くなる場合があります。染は生糸から紺に染まるまでだと、藍瓶に入れる-空気にさらす-酸化させるという工程を7回程繰り返し行われます。
藍染の参考
- 織刺
- 詰刺(ツメ刺)は#4800の生地に人の手によって刺し子をした生地のことで、織刺は織機で織り上げた織物を言います。刺し子をすることで耐磨耗性が強くなります。中級品に鹿皮の代わりによく使われます。鹿皮製品よりも汗っかきの人には汗抜けがよい分、甲手等の持ちが良いかもしれません。
- 牛皮
- 剣道具で使用する牛皮は2種類あります。一つは、生皮をクロム塩で揉した皮に着色した皮です。一般にクローム皮と呼ばれ、カバン等の材料になります。剣道具では並品の胸等の材料になります。もう一つは、生皮を川に漬け込み、脱毛・塩入れ・菜種油等の自然油による油入れ等の工程を経て揉し着色した皮で、本ナメシ(揉し)皮と呼ばれています。この皮にシボ(凹凸)を付け、漆を塗り、磨き上げた物を黒桟(クロザン)皮と言っています。主に高級品の胸の材料になります。クローム皮にシボ(凹凸)を付け、漆を塗り、磨き上げた本黒桟の代用品も出ています。
- 面金
- 現在では材質がジュラルミン、チタン製の物が主流で鉄製・洋銀製の物はほとんど見受けられません。横ひごは大人用が14本頭サイズが63センチから70センチの範囲で使われます。少年用は横ひごが13本で頭サイズが63センチ以下、さらに小さい幼年用は横ひごが12本、そして頭サイズが71センチ以上の面金は5分大面金と呼ばれています。
左から少年用オールジュラルミン、大人用上5本チタン入り、大型オールチタンIBB
- 綿(わた)
- 木綿わたと化繊わたとがあります。木綿わたは吸水性がよく、汗で濡れた部分は馴染みがよく、頭の容に形がつき易いのですが化繊わたに比べるとやや重いのが気になります。一方、化繊わたは軽いです。汗で濡れた部分は柔かくはなるけれども、頭の容に形がつきにくく、また、硬く刺し上げると反発力が出てしまうことがあります。