剣道具の豆知識
面白雑学
ここに書き記しました内容は科学的・医学的・物理的な根拠は何もありません。あくまでも個人的な一意見ですので、専門的な意見をご存知の方はお教え頂ければ幸いです。(文責 磯 晴幸)
- 代用皮とは何ですか?
- 代用皮には皆様ご存知の通り色々な種類があります。高級な代用皮としてはクラリーノ、カバン 靴等の代用皮に使われております。もっとも安価な代用皮はビニールレザー、重荷カバン等の縁に使用されております。
剣道具でよく使われている代用皮はクラリーノ(牛革風)、クラリーノ(鹿皮風)、ソフリナ(ジャンバー皮風)、ビニールレザー、エクスロン等が主な代用皮です。他に鹿皮の代用でヌバック(牛革の吟部分を薄く剥き、紺色に染めてある)皮もあり、良く見ないと間違えることがあります。
用途は下の表にまとめましたので、現在使用している剣道具で確認をしてみてください。
クラリーノ(牛皮風) 樹脂胴・ファイバー胴等の縁皮・胸皮等に使用 クラリーノ(鹿皮風) 主に甲手の鹿皮部分に使用 ソフリナ(ジャンバー皮風) 面垂等の縁(主に中級品)に使用 ビニールレザー 面垂等の縁(主に普及品)に使用 エクスロン 樹脂胴、ファイバー胴等の縁を綴じる縁の代用品
- 代用皮には皆様ご存知の通り色々な種類があります。高級な代用皮としてはクラリーノ、カバン 靴等の代用皮に使われております。もっとも安価な代用皮はビニールレザー、重荷カバン等の縁に使用されております。
- ファイバー胴は何で出来ているのですか?
- 皆さんは良くグラスファイバー胴と間違えておりますが、実は紙で出来ております。昔、鎧の胴部分は千貫張りと言って、和紙を一枚一枚木型にご飯糊で張り固めて漆を塗って作ったものでした。現在では新潟県の北越製紙株式会社が一手に製造しており、材料はエンボス紙だそうです。
- 吟付皮と床皮って何ですか?
- 剣道業界の中でよく使われるのが竹刀の付属品です。先皮・中結・柄皮等に使われています。
吟付皮とは一枚の厚い皮を二枚に裂いて、表側(表皮付き)が吟付皮、裏側(皮肉部分のみ)が床皮になります。竹刀の竹で言えば竹刀の一本を裏表の間に刃を入れて裂き、エナメル質(つるっとした部分)が付いている側が吟、裏の肉質部分が床になります。強度についてはご理解いただけると思います。
現在、竹刀付属品は危険防止の為、床皮が使われているのは柄皮のみとなっていますが、たまに、仕組済みの竹刀に先皮・中結が床皮を使用している竹刀があります。最近ではあまり見受けられませんが、以前は輸入物の胸にも床皮が使用されていたこともありました。
- 剣道業界の中でよく使われるのが竹刀の付属品です。先皮・中結・柄皮等に使われています。
- 竹刀の竹の種類とは何ですか?
- 現在の竹刀は真竹と桂竹が主流で作られております。以前は価格の安い竹刀に孟宗竹を使用していた時期もありましたが、維管束が粗く折れ易い欠点があります。真竹の特徴は根元の節間が短く上に伸びるほどに節間が長くなり、それに伴って肉厚が剣先と柄部分の差が大きくバランスの良い竹刀になります。また、竹自体の柔組織が厚くて適当な柔かさがあり、竹刀には最適な材料です。
最近では中国産や韓国産の真竹も市場に出回っております。桂竹とは台湾が産地で、亜熱帯の為に柔組織がほとんど無く、竹自体が硬質で弾力性が強く縦割れしやすい特性があります。
- 現在の竹刀は真竹と桂竹が主流で作られております。以前は価格の安い竹刀に孟宗竹を使用していた時期もありましたが、維管束が粗く折れ易い欠点があります。真竹の特徴は根元の節間が短く上に伸びるほどに節間が長くなり、それに伴って肉厚が剣先と柄部分の差が大きくバランスの良い竹刀になります。また、竹自体の柔組織が厚くて適当な柔かさがあり、竹刀には最適な材料です。
- 面の大きさについての雑学
- 面を仕組む時、面金の藁巻きに面布団は縫い付けます。従って面の形は面金のカーブと同じ形になります。大きさの加減は布団を面金の上部にどれだけ寄せを作れば良いか、これは職人の経験で決まります。しかし、人の頭は色々な形(丸顔、面長、四角顔、逆三角形顔等)をしているので、面を頭の形どうりに作るのは至難の業です。例えば、四角い頭の人に卵形の面金は最初から形があいません。もっとも四角い面金が有れば問題はありませんが、残念ながら今のところは有りません。四角い頭の人の面を作る時は面金上部の左右に布団の寄せを作ってやれば問題はありませんが、それでも頭の形どうりにはいきません。
ここで皆様に申し上げたいことは、新しい面は小さめになっているということです。顎から先に面に入れて次に額を入れます。最初はなかなか額が面の天(額が当たる半月の形をした部分)には着きませんが、使用しているうちに当たる部分は汗をかくことにより布団が柔かくなり頭の形になります。使い込めば最終的に頭の形にあった面になります。最初からスムーズにかぶれる面は汗をかいても布団が縮むことは無く、何時までたっても頭の形に馴染む面にはなりません。
- 面を仕組む時、面金の藁巻きに面布団は縫い付けます。従って面の形は面金のカーブと同じ形になります。大きさの加減は布団を面金の上部にどれだけ寄せを作れば良いか、これは職人の経験で決まります。しかし、人の頭は色々な形(丸顔、面長、四角顔、逆三角形顔等)をしているので、面を頭の形どうりに作るのは至難の業です。例えば、四角い頭の人に卵形の面金は最初から形があいません。もっとも四角い面金が有れば問題はありませんが、残念ながら今のところは有りません。四角い頭の人の面を作る時は面金上部の左右に布団の寄せを作ってやれば問題はありませんが、それでも頭の形どうりにはいきません。
- 剣道着が色落ちするのは何故ですか?
- 一説には藍には生地を強くする、毒虫を寄せ付けない、傷口につける薬用効果等があると言います。また何よりも使い込んだときの色の変化に風合いがあって剣道にマッチした色合いではないかと思います。
戦後、化学染めの急激な進歩と普及に伴い、古来から伝わる藍染生地の生産量が落ち込みました。私の記憶では昭和35年頃までは一部の商品を除き、価格の安い剣道着は色落ちの少ない硫化染め(使用しているうちに紫色やグレーになる)が主流だった気がします。藍の染色コストが高かったためではないかと思います。現在では価格の安い剣道着でも藍染めが主流になっております。染色技術の進歩により生産コストが安くなったおかげです。
- 一説には藍には生地を強くする、毒虫を寄せ付けない、傷口につける薬用効果等があると言います。また何よりも使い込んだときの色の変化に風合いがあって剣道にマッチした色合いではないかと思います。
- 軽い面と重い面、どちらが良いのですか?
- 軽いほうが良いに決まっている!と誰もが思うと思いますがどうなんでしょう?
例えば、竹刀で風船とバスケットボールを叩いたとします。風船は軽いので竹刀の打ちに大きく反応してしまいます。バスケットボールは反対に重いのでボールを打つと逆に竹刀のほうが跳ね返ります。つまり、軽い面は打突に大きく反応(頭に衝撃を伝える)するけれども、重い面は面自体が衝撃を吸収します。
昔の少年用面は面金が鉄で出来ていました。現在の大人用面(ジュラ面金使用)よりも重かったのではないかと思います。しかし、面が重くて首の骨を折ったと言う話は聞いたことが無いです。むしろ、育ち盛りの少年には、打突を直に伝えてしまう軽い面は、衝撃が頚椎に蓄積されて障害が出ないか心配ですが、週に二回程度の練習ならば問題は無いと思います。また大人の場合は打たれた感触が悪いだけで、少年のような心配は無いと思います。
- 軽いほうが良いに決まっている!と誰もが思うと思いますがどうなんでしょう?
- 面金の裏は何故赤いのですか?
- 私にも根拠は良く解かりませんが考えられることを書いてみます。もし、ブルーだったらどうでしょう? いくら遠山の目付けとは言ってもブルーの色が目に残るのではないでしょうか?暗闇で赤外線を照射しても赤色を感じないのと一緒ではないでしょうか。また、赤は気持ちを高ぶらせる、体を熱くするといった作用があると言われているためではないかと思います。